歩行と下肢の障害1 

NPO法人オーソティックスソサエティー会員
日本靴医学会準会員・日本義肢装具学会会員 

歩行から診た外反母趾や膝関節症など下肢の障害 1

歩き方から解る下肢の障害1 歩き方の改善が必要1


外反母趾   
外反母趾の足
 

「悪い動き・歩行」を改善する技術が必要!

1.歩行から診た外反母趾には基本的に2パターン。
・過回内タイプ 歩行時に足が内側(母趾側)に回転している。
  外反扁平足に起こりやすい傾向。
・過回外タイプ 歩行時に足が外側(小趾側)に回転している。
  ハイアーチ(凹足)に起こりやすい傾向。従来のインソールのように内側アーチを高くすると逆効果で、歩行が悪化する可能性が大きく、痛みや変形が進むことも。 
 あくまで傾向で、実際の歩行時は両足が影響し合うので、外反扁平足だから過回内しているとは限らない。また、ハイアーチ足だから過回外しているとも限らない。相対的なもの。歩行時の両足の動きで判断。
2.母趾の可動性の有無
・母趾の可動性がある場合には、母趾の安定とパフォーマンスアップ。
・可動性が無いときは母趾側の安定、足部全体の安定。
・母趾以外の足趾のパフォーマンスアップ。 


変形性膝関節症(特に膝の動きから)

変形性膝関節症の膝


  変形性膝関節症でご来店いただくお客様の7~8割の方に外反母趾があります。若い頃に外反母趾になり、母趾が曲がった状態で不安定な歩行(自覚されない)を、長年にわたって継続することで、膝関節へのストレスが蓄積され、これに老化が加わって発症しやすくなっているのではないかと推測しています。
1.足部のうごきからの2パターン(両足同じとは限らない)。
  過回内タイプと過回外タイプ
2.膝関節の動きからの2パターン(両足同じとは限らない)。
  内反膝と外反膝
3.膝関節の可動域
4.膝関節のスラスト(内側または外側へのぶれ)の有無
  このスラストが膝関節可動域の制限や痛みの大きな原因で、この動きを抑止することがインソール製作においての大きな目的。
従来のインソールでは、内反膝(O脚)と言えば外側を楔状パーツで高くするのが定番。
装具の学校でも常識として教えられている製作法。しかし、これはまったく「歩き方」を無視した考え方で、実際、足はそのようには動いてなくて、逆の過回内(内側へ回転)の動きをしていることの方が多い。 ~外側を上げることでより膝の内反(O脚)・スラストがひどくなる可能性が高い。実際の歩行時の足と膝関節の動きは、両足が連動し影響し合って動いているので、反対に内側アーチを上げる必要のある症例の方が多いかもしれません。~


足底腱膜炎 
両足裏のタコ

 「バランスの悪い歩き方」が原因で起こる典型的な障害例
1.何らかの原因により「歩くバランス」が崩れ、歩行時に継続して足底腱膜に過度に負荷がかかった結果、足底腱膜に炎症が起こるケースがほとんどです。 ~従来の「歩行を診ないインソール」ではほとんどの症例で改善しません。~
2.「歩行のバランス」を改善するインソールの作成で、靴に挿入した時点で、魔法のような改善効果をその場で体験いただけるでしょう。
3.足部の過回内、過回外どちらでも起こる。
ハイアーチ足の方は筋や腱が硬いので、足底腱膜に負荷がかかりやすいので炎症が起こり易い傾向にありますが、扁平足による過回内(内側に回転)でも同様の負荷がかかることで起こります。どちらも「歩くバランスの崩れ」が大きな原因です。